不妊治療の領収書がたまっているのに、医療費控除にはまだ手をつけていないという人も多いのではないでしょうか。
確定申告はむずかしそうと感じると、最初の一歩がなかなか踏み出せませんよね。
いくら戻るのかがわからないと、やる気も出にくいと思います。
- 確定申告はむずかしそうという不安
- いくら戻るかわからない心配
- 領収書の整理の手間
- 仕事が忙しくて後回し

確定申告をしたことがなくて、不安です

私も初めてでしたが、4年分を2時間かからず申告できました
この記事では、不妊治療を5年続けている私が、4年分の医療費控除をまとめて申告したやり方を紹介します。
マイナポータル連携で取り込めない費用の足し方や、仕事を辞めた年の申告の考え方も正直に書きました。
読み終わるころには、自分の領収書を見直してみようと思えるはずです。
不妊治療の医療費控除のしくみ

医療費控除は、1年間に払った医療費が一定の金額を超えたときに、確定申告で税金の一部が戻ってくる制度です。
不妊治療の費用も、保険適用でも自費でも医療費控除の対象になります。
治療費が大きくなりやすい不妊治療では、とくに使いたい制度といえるでしょう。
- 対象:1月〜12月に払った医療費
- 目安:1年で10万円超
- 手続き:確定申告
まずは、どんなお金が対象になるのかを確認しておきましょう。
医療費控除で税金が戻るしくみ
医療費控除を申告すると、税金を計算するもとになる所得が減るので、払いすぎた所得税が戻ってきます。
会社員の場合は、給料から引かれていた所得税の一部が、還付金として口座に振り込まれるしくみです。
翌年の住民税が安くなる点も、うれしいところでしょう。
対象になる不妊治療の費用
国税庁でも、不妊症の治療費や人工授精の費用は医療費控除の対象とされています。
私は、保険適用の治療費に加えて、先進医療の費用や自費の治療費も入れて申告しました。
- 保険適用の治療費
- 先進医療の費用
- 自費の治療費
一方で、サプリメントなど、予防や健康増進のためのものは対象になりません。
対象になる通院の交通費
通院のための電車やバスの交通費も、医療費控除の対象です。
- 対象:電車やバスの交通費
- 対象外:自家用車のガソリン代、駐車場代
- 原則対象外:タクシー代(一部を除く)
タクシー代は、電車やバスが利用できない場合を除いて対象になりません。
私は通院の交通費も家計簿に書いていたので、そのまま申告の金額に入れました。
不妊治療の医療費控除で戻るお金

医療費控除でいくら戻るかは、払った医療費の額と所得税の税率で変わります。
私の場合は、年によって数千円〜20万円ほどが戻ってきました。
思っていたより多くて、驚いたのが正直な気持ちです。
- 戻る金額:医療費と税率で変化
- 私の場合:年によって数千円〜20万円ほど
- 振り込まれるまで:1ヶ月かからず
ここでは、計算方法と、実際に届くまでの期間を紹介します。
戻ってくるお金の計算方法
医療費控除の金額は、払った医療費から、高額療養費や助成金など、あとから戻ってきたお金(補てんされたお金)と10万円を引いた額です。
戻ってくる所得税の目安は、この金額に自分の所得税率をかけた金額です。
| 計算の順番 | 例 |
|---|---|
| 1年間に払った医療費 | 60万円 |
| あとから戻ってきたお金を引く | −5万円 |
| 決まりの10万円を引く | −10万円 |
| 医療費控除の金額 | 45万円 |
| 税率10%の人に戻る所得税 | 約4.5万円 |
金額はわかりやすくした例で、実際の金額は確定申告の画面で確認できます。
なお、医療費控除の金額には、最高200万円という上限があります。
私に戻ってきた年ごとの金額
4年分を申告すると、少ない年で数千円、多い年で20万円ほどが戻ってきました。
治療費が少なかった年でも、申告すれば戻ってくるお金がありました。
年ごとの治療費は、こちらの記事で公開しています。
還付金が届くまでの期間
私は3月上旬に申告して、1ヶ月かからずに口座に振り込まれました。
振り込み先の口座は、申告の画面で入力します。
届くまでの期間は時期によって前後すると思うので、目安として考えてください。
4年分をまとめて申告した理由

私が医療費控除を初めて申告したのは、2026年3月のことです。
2022年から2025年までの4年分を、一度にまとめて申告しました。
本来なら毎年申告できますが、正直なところ、優先順位が低くなっていたのです。
- 申告した時期:2026年3月
- 申告した年:2022年〜2025年
- 申告した人:私
ここでは、まとめて申告することになった理由と、そのときの気持ちを書きます。
毎年の申告に手が回らなかった仕事
まとめて申告した一番の理由は、仕事が忙しくて、毎年の申告に手が回らなかったことです。
あとからでも申告できると知っていたので、つい後回しにしていました。
申告しようと思えたのは、退職を控えて、心に余裕ができてからでした(不妊治療のために仕事を辞めた話は、こちらの記事に書いています)。
あとから申告できる5年の期限
税金が戻ってくる還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(国税庁「還付申告」)。
- 2021年に払った医療費:2026年12月31日まで
- 2022年に払った医療費:2027年12月31日まで
- 2023年に払った医療費:2028年12月31日まで
5年を過ぎると、申告できなくなってしまいます。
過去の領収書が残っている人は、今のうちに確認してみてください。
※通常の確定申告が必要な人(個人事業主など)が納税を伴う申告をする場合は、原則として翌年2月16日から3月15日までが期限となります。
申告しないままだった第一子の治療費
実は、第一子の治療費は医療費控除を申告しないままになりました。
忙しさの中で手続きが後回しになり、気づいたときには5年を過ぎてしまった分があったのです。
そのこともあって、第二子の分は私が申告すると決めたのです。

5年を過ぎると戻ってこないので、早めの確認がおすすめです
恐る恐るだった初めての確定申告
確定申告をしたことがなかったので、最初の一歩はかなり恐る恐るでした。
ネットでやり方を調べながら進めると、迷うことなく申告できました。
やってみると意外と還付金があって、驚いたのを覚えています。
不妊治療の医療費控除の申告手順

ここからは、私が実際に行った申告の手順を紹介します。
使ったのは、パソコンのe-Taxとマイナポータル連携です。
マイナポータルから医療費を取り込み、足りない分を自分で足す流れでした。
- 書類の準備
- マイナポータルからの取り込み
- 足りない医療費の入力
- 補てんされたお金の差し引き
- ふるさと納税の入力
- e-Taxでの送信
順番に見ていくと、むずかしい作業ではないとわかるはずです。
申告の前に準備したもの
申告の前に手元にそろえたのは、マイナンバーカードと源泉徴収票、家計簿、領収書です。
- マイナンバーカード
- 源泉徴収票
- 家計簿(医療費と交通費の記録)
- 領収書
- ふるさと納税の寄付の記録
領収書は提出しなくてもよいのですが、内容を確かめるために手元に置いておきましょう。
過去の年の分を申告するなら、その年の源泉徴収票が必要になります。
マイナポータル連携で取り込む医療費
マイナポータル連携を使うと、保険が使えた治療の医療費を自動で取り込めます。
1年分の医療費を手で入力しなくてよいので、入力の手間がかなり減りました。
ただし、取り込めるのは基本的に保険が使えた分だけで、自費の分は入っていません。
自分で足した自費の治療費と交通費
マイナポータルに入っていない費用は、家計簿を見ながら自分で足しました。
- 自費の治療費
- 先進医療の費用
- 通院の交通費
同じ金額を二重に入れないように、マイナポータルの分と家計簿の分を分けて確認するのがコツです。
家計簿に毎月まとめていたので、足す金額はすぐにわかりました。
健康保険から戻ったお金の差し引き
健康保険の高額療養費など、補てんされたお金は差し引いて申告します。
私も、健康保険組合から口座に振り込まれたお金がありました。
助成金や医療保険の給付金を受け取った場合も同じなので、忘れないようにしましょう。
ふるさと納税も入れる確定申告
医療費控除で確定申告をする人は、ふるさと納税のワンストップ特例が使えません(総務省「ふるさと納税の手続き」)。
ワンストップ特例は、確定申告がいらない人のための制度だからです。
ふるさと納税をしている人は、その寄付も確定申告に入れる必要があります。

ふるさと納税をしたサイトを見れば、そんなに手間はかかりませんでした
4年分を2時間で終えられた理由

4年分の申告にかかった時間は、2時間もかかっていません。
早く終わった理由は、ふだんから記録を残していたことです。
特別な知識があったわけではなく、日々の記録が役に立ちました。
- 治療費と交通費の家計簿
- 1周期ごとの領収書のファイル
- 年ごとの給与の書類
これから申告する人は、できるところからまねしてみてください。
毎月の治療費をまとめた家計簿
一番役に立ったのは、毎月の不妊治療費を書いていた家計簿です。
家計簿は結婚したときから、約8年つけています。
治療費だけでなく通院の交通費も書いていたので、足す金額をすぐに確認できました。
1周期ごとにファイルした領収書
領収書は紙のまま、1周期ごとにファイルに入れて保管しています。
採卵や移植の周期ごとに分かれているので、あとから見返しやすいのが良いところです。
提出しなくても、領収書は5年間保管しておく必要があります。
年ごとに残していた給与の書類
過去の年の分を申告するには、その年の源泉徴収票が必要です。
私は給料関係の書類やデータをすべて残していたので、さかのぼって探す手間がありませんでした。
書類が見つからないときは、勤務先に再発行をお願いしましょう。
夫婦どちらが申告するかの決め方

医療費控除は、生計を一にする家族の医療費をまとめて、1人が申告できます。
一般的には、所得税の税率が高い人が申告したほうが、多く戻りやすいです。
夫婦の収入が変わったら、申告する人を変えることも考えてみましょう。
- 2022年〜2025年分:私
- 2026年分:夫の予定
ここでは、我が家の例を紹介します。
収入に差がなかったころの申告
2025年分までは、すべて私が申告しました。
夫婦の収入に大きな差がなかったので、どちらが申告しても大きくは変わらないと考えたからです。
第二子の分は私が担当すると決めていたことも、理由のひとつでした。
仕事を辞めた年に変えた申告者
2026年分は、夫が申告することにしました。
私が2026年4月に仕事を辞めて、収入が大きく減ったからです。
所得税をほとんど納めていない人が申告しても、戻ってくるお金は少なくなります。
計算と入力を分ける夫婦の分担
2026年分は、計算は私、入力は夫という分担にする予定です。
家計簿をつけている私が治療費の総額などを計算し、夫には数字を入力してもらいます。
申告する人と計算する人を分けると、忙しい人の負担も減らせるでしょう。
医療費控除のよくある質問

ここでは、医療費控除についてよくある疑問をまとめました。
くわしい条件は、国税庁の情報や税務署で確認してください(国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」)。
私が実際に行ったことも、あわせて紹介します。
1年の医療費が10万円以下の場合
1年間の医療費が10万円以下でも、所得が200万円未満の人は控除を受けられる場合があります。
その場合の基準は、10万円ではなく総所得金額等の5%です。
家族の医療費を合わせると10万円を超えることもあるので、まとめて確認してみてください。
領収書の提出と保管の期間
領収書は、提出しなくてもよい代わりに、5年間の保管が必要です。
申告のときは、領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作って提出します。
クレジットカード払いの扱い
クレジットカードで払った医療費も、医療費控除の対象です。
口座から引き落とされた日ではなく、カードを使った日の年の医療費として計算します。
年末の通院は、どちらの年に入るかを確認しておきましょう。
市販の薬の扱い
市販の薬でも、治療のために買ったものは対象になります。
風邪薬などは対象ですが、ビタミン剤のように予防や健康増進のためのものは対象外です。
私は薬局で買った薬は入れず、病院やクリニックで払った費用を中心に申告しました。
通院のタクシー代の扱い
タクシー代は、電車やバスが利用できない場合を除いて対象外です。
採卵の日などにタクシーを使ったときは、対象になるかを税務署に確認すると安心です。
助成金を受け取った年の申告
国や自治体の助成金を受け取った年は、その金額を差し引いて申告します。
医療保険の給付金や高額療養費も同じです。
私の第二子の治療では、住んでいる市の助成はありませんでした。
不妊治療の医療費控除のまとめ

不妊治療の医療費控除は、保険適用でも自費でも申告でき、私は年によって数千円〜20万円ほどが戻ってきました。
確定申告が初めてでも、記録さえあれば、4年分を2時間かからず申告できます。
- 不妊治療の費用は医療費控除の対象
- さかのぼれるのは5年まで
- マイナポータルと家計簿の組み合わせ
- 補てんされたお金の差し引き
- ふるさと納税も確定申告に入れること
- 仕事を辞めた年は申告者の見直し
まずは、去年の治療費の領収書と家計簿を見直して、合計を出してみてください。
2021年に払った医療費があれば、2026年12月31日までに申告できるかも確認しておきましょう。
- 去年の医療費の合計
- 過去5年分の申告もれ
- 夫婦どちらが申告するか
不妊治療に5年でかかったお金の総額は、こちらの記事で公開しています。
はじめの一歩を踏み出せば、戻ってくるお金が次の治療を支えてくれるはずです。

コメント